人生や世界は広く大きな河のようです。どこまで行っても始まりで、気づいたところが終わりです。
いつしか独りになっている。流れに身をゆだねるようになったのは、いつのことだったでしょうか――。
ジルジャンはふとしたきっかけで、それを思いだします。行く河の流れのなかで別れてしまったかけがえのない人。
もう一度、逢うことができるのなら、なにを伝えるでしょうか。
でも、もしかしたら、本当に伝えたいと強く願ったとき、相手にはそれがわかるのかもしれません。
わかっているのかもしれません。どれだけ遠く、離れていても。