孤独な旅人にも、親がいます。そして生まれる前のことは、自分にはわかりません。だれかが教えてくれるか、あるいはだれかが書き残しているか。
生まれる前の父や母の想い――。
予想もしない形で、ジュノはそれを知ることになります。 しかしそれは、孤独の心を締めつけます……。
自分の家なのに、そう感じられなくなることがあります。どれだけ強く望んでいても、望んだ形で結実するとは限りません。
それでも涙のあとに、胸が澄んでいることがあります。それはきっと、心の故郷――。