アストリアたちがレイゼリア山脈で四苦八苦している頃、ジュノたちは南国にやってきています。南海の楽園カリプソです。熱い陽射し、青い海、さざめく波に灼けた肌。なにはともあれ、ベーゼンドルファーの脅威も一瞬は忘れて、休憩してみるのも手です。
ルーディスは気に入らないようですが、焦ってばかりが人生ではいけません。
海のそばにいるだけで、言葉で交わす以上に、心が通じるときがあります。海はきっと、人を少しだけ心細くさせるのでしょう。ジュノとリス、そしてルゥ……少しずつ、それぞれの距離は近づいていきます。それが意味することもわからないままに――。