Return to Farlandのサウンドは、フュージョン・ジャズなどのインストゥルメンタルの要素が強く、また、曲の構成としても豪華さを求めたサウンドでした。そして、全体を通して何か一貫性のあるテーマがあったものでもなかったようにも思います。
それはそれで色々な音楽があって良かったのですが、今回のForgotten Sagaのサウンドでは、それとは逆に、作品全体を通してのテーマを明確にしてあります。
もっとも、それは初めから決まっていたわけではなく、開発初期に、主人公であるジュノの故郷ウィンウッドの街の曲を作曲したときに、Forgotten Sagaのサウンドの方向性がひらめいたのです。おおげさに言えば、そのウィンウッドが、物語全体のサウンドコンセプトを表現しているのだと思います。
ところで、Forgotten Sagaの曲は全部が全部新曲というわけではありません。なかにはReturn to Farlandの楽曲もいくつかあります。しかし、ただ使い回しているだけでは面白くないので、少し手を入れているものもあります。そういったものも含めて、Forgotten Sagaの楽曲も、また楽しんでいただきたいと思います。
根本的な部分は同じです。ゲームをプレイしているとき、ふと手を休め、流れている楽曲に心ひかれたり、優しい気持ちになっていただければ、それはすばらしいことですね。